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テニスと心理学の架け橋 心理学のテニスへの応用を考える…よりもストリングのことを考えているかも

ジミー
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固有FBと付加的FB

 前回では固有フィードバック、とりわけ内在フィードバックについていろいろと書きました。今回は付加的フィードバックについてです。(以下、フィードバックをFBと略します)
運動学習のFBを簡単にまとめると、
1、固有FB…運動遂行者自身の感覚から得られるFB
 1-1、内在FB…筋肉、感覚、皮膚の感覚から得られるFB
 1-2、外在FB…視覚、聴覚から得られるFB
2、付加的FB…他者やビデオなどから得られるFB
となります。大きく分けて固有FBと付加的FBの2種類で、固有FBも内在FBと外在FBの2種類に分けられます。それぞれのFBの説明については前回の記事を見てください。

 前回では、運動学習には固有FB、特に内在FBが重要と言いましたが、付加的FBが不必要であるというわけではありません。外在FBに注意が向きにくいため内在FBは気づき難いですが、その気づき難い分を補うために付加的FBを与えられます。
 しかし、付加的FBをたくさん与えればよいという訳ではないようです。付加的FBはパフォーマンス(そのときの成績)を向上することができますが、付加的FBへの依存を高めてしまうことで本来重要な固有FBが得難くなり、学習には効果的ではないという指摘があるようです。なんとも難しいですね…。コーチはこんなことを考えて指導するとなると大変ですね(;´∀`)
 付加的FBの呈示方法にもいろいろあって、いつFBを与えるか、どれくらいの頻度で与えるのか、どれくらい具体的にあたえるのか、学習者が必要なときだけ与えるのか…などなど、考え所が非常に多いです。

 最後に、付加的FBの有効的な与え方をまとめておきます。
1、失敗を指摘するのではなく、修正点を伝える。
2、最小限にする。
  あまりに多いと固有FBの処理が出来なくなる。
  時間的に長すぎるのもよくない。固有FBと付加的FBの照合が困難になる。
  (照合するというのは、学習者自身が固有FBと付加的FBを
  比較して次にどうすればいいかを考える、ということです)
  一度に多くのことを伝えるのも同様によくない。
3、出来るだけ具体的に伝える。
  打点をもっと前にする、と言うより、今のよりも30cm前にする、と言うように。
4、運動後に少し間をおきつつ、早く伝える。
  固有FBの情報は非常に短い間しか保持されないと考えられており、
  時間を置いて付加的FBを与えると、付加的FBと固有FBの照合が難しい。
  しかし、学習者が固有FBを処理する(考える)時間も必要なので、
  即時に付加的FBを与えると付加的FBの依存傾向を高める恐れがある。
5、学習者にどのようなことを考えているのか、
  何を教えて欲しいのか聞いてみる。
6、FBを多様な媒体で伝える。
  (言葉で伝える、実際にやってみせるデモンストレーションなど)

 本に書いてあるのをまとめてみたんですが、こうしてはいけない、だけどああしてもいけない、という項目が目立ちます。上手に教えるにはたくさんの経験が必要だ、ということでしょうか。

 次回はメンタルトレーニングについて書きたいと思います。
実験・知覚系 | 投稿者 ジミー 16:40 | コメント(0) | トラックバック(0)
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