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テニスと心理学の架け橋 心理学のテニスへの応用を考える…よりもストリングのことを考えているかも

ジミー
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ポイント毎の目標設定

 最近、ダブルスではサーブをどこに何を打つのかなどをペアと確認しながらゲームをしています。サーブ以外にも、相手のサーブが〇〇だったらロブを上げる、なども話します。なんでこんなことをやり始めたのかは忘れましたが、唐突に3年前にこのブログで書いたことを思い出しました。ストリングとか大会の日記ばかり書いてる最近とは違い、もっと真面目に心理学のことを書いていた時期です。

 その時に書いたのは「効果的な目標設定」についてでした。試合中の目標の立て方として「勝つ!」みたいなものはダメで、「この時はこう打とう」みたいなものがよい、というようなことを書いた気がします。

 僕とペアは似ているところがあって、試合で緊張することはまずなく、漫然と試合に臨んでしまっています。
(例外として、小学生ペアを相手にしたときは緊張しました。ペアは緊張のあまり2連続ダブルフォールトをしたり…)
 そこで、ペアと何を打つかを確認しながら試合を進める、というのは自分たちにぴったりのような気がしました。そのポイントごとに目標ができるから漫然と試合を進めるようなことも少なくなるのです。まぁ、「ファーストサーブをワイドに打つ」と言いながら、逆玉になってセンターに行くことも当然ありますが…。

 「この時はこう打とう」というのはシングルスでもできると思うのですが、ダブルスの方がずっと簡単だと思います。ダブルスの方がずっと自由度が低いので、サーブのコースを決めておけば大体やることが決まります。あと、2人でやらなければなりませんので、確認し忘れることはなく、一度決めたことを反故にすることもできないので、このような目標設定が簡単になります。
 一方、シングルスでは難しくなると思います。自由度が高いので、サーブをどこに打つかを決めただけでは次の展開が分かりづらいと思います。あと、自分一人だけなので、「もうどうでもいいがな」と思ってしまったら、目標設定自体を忘れることもできます。

 シングルスできっちりとポイントごとの目標を立てることができたらなぁ…、と思って考えたことですが、ポイント毎ではなくて一球毎の目標の方が簡単かもしれません。例えば「ストロークをネットの上50cmに通そう」とか、「ボールを最後まで見て打とう」というものです。こっちの方が簡単に見えるけれども、どうでしょうか?自分でもちょっと分からなくなってきました;
 とにかく、大切なのは「ここ一番のメンタル」ではなくて「ポイント毎のメンタル」の方だと言いたいです。
認知系 | 投稿者 ジミー 22:20 | コメント(0)| トラックバック(0)

道具の身体化

 テニスに関わらず道具を使うスポーツは多いです。スポーツ以外でも人間は道具を使います。道具を使うとき、「道具は手足の一部のようだ」というように例えられることがしばしばあります。そのように例えられるということは、ヒトがそのように感じるからだと思います。では、そのように感じることは正しいのでしょうか?人が持つと道具はそれ以上のものになりうるのでしょうか?ということで、道具の身体化に関する研究を紹介したいと思います。

 この類の研究の1つに、半側空間無視の症状があるヒトを被験者としたものがあります。
 
 半側空間無視とは、脳に損傷を負ったときに稀に見られる症状で、物の半分側を認識できない症状を言います。例えば、「この花の絵を描いてください」というと、その花の右半分しか描けなかったりします。食事をすると、皿の左半分しか食べなかったりします。左右のどちらを無視するかは、脳半球の左右どちらかを損傷したかによって決まります。右脳を損傷した場合は左側、左脳を損傷した場合は右側を認識できなくなります。また、見るものすべてが半分しか認識できなくなるとも限りません。自分の手の届く範囲のものだけ半分しか認識できなかったり、逆に手の届かない範囲のものだけ半分しか認識できなかったりすることもあるそうです。

 今回紹介する研究では、自分の手の届く範囲のものだけ右半分しか認識できないヒトを被験者としたものです。被験者にやってもらうことは面前にある線の真ん中を指してもらうという課題(二等分線課題)です。これにはいくつかの条件が設定されました。
①手の届くところにある線の真ん中を、手の指で指し示す
②手の届かないところにある線の真ん中を、レーザーポインターで指し示す
③手の届かないところにある線の真ん中を、棒で指し示す(棒の長さは線に十分届くもの)

 結果です。
 ①の条件では、被験者は線の真ん中よりもずっと右寄りの位置を指し示しました。つまり左半側無視が生じていました。
 ②の条件では、線のほぼ真ん中を指し示しました。つまり、半側無視は生じませんでした。
 ③の条件では、線の真ん中よりずっと右寄りの位置を指し示しました。左半側無視が生じていました。

 結果の考察です。①、②の結果から、被験者には手の届く範囲において左半側無視が生じると言えます。問題となるのは②と③の結果の比較です。②と③は、両条件とも手の届かない位置に線があります。ですが、②では半側無視が生じず、③では半側無視が生じたのです。①、②の結果から被験者は手の届く範囲のものだけに半側無視が生じるはずです。なのになぜ?
 これによって考えられるのは、棒が手の延長として認識されたということです。つまり棒を手の一部として認識していたのではないかということです。このことから、ヒトは道具を身体の一部として認識している、身体と同等に認識していることが示唆されます。

 「だからどうした?」と言われればそれまでかもしれません。この結果からスポーツにすぐに役立つことはないからです。ですが、道具が身体として認識されるならば、道具に気を遣うことはとても重要なのではないかと思います。きっとグリップにこだわることも重要なはずです…たぶん。 
認知系 | 投稿者 ジミー 09:43 | コメント(0)| トラックバック(0)

集中力ってなんだろう?

 集中力とはなんだろうか?と疑問に思い、集中力に関してどのような研究や理論があるかを調べてみました。そこで、集中力の研究に関する本を探すところから始めました。集中力に関する本としては、集中力をアップさせる、という趣旨の本が山ほどあります。今回はそのたぐいの本はすべてスルーしました。というのも、何かしらの根拠に基づいているものとは限らないと思われるからです。とりあえず、アマゾンで「集中力 心理学」で検索してみたところ、集中力の研究に関する本は1冊しか見つかりませんでした。アマゾンマーケットプレイスで1円だったので買ってみました。
 その本は「集中力」という本でしたが、第一刷発行がいつかを見たら1988年でした。もう20年以上前になります。あまり期待はできないような気がしますが、とりあえず見てみました。
 本の序盤は、集中力に関して重要な要因についていくつか書かれています。それをいくつか挙げると、
・注意(注意を1つのものにむけているのか複数なのか)
・興味(自分が興味を持つものの方が集中できる)
・覚醒状態(ある程度緊張しているほうがよい)
・動機付け(自分がそれをやりたいと思う理由があるか)
・疲労(疲れていたら集中は難しい)
などがあるようです。これらが書いているところを読んだところで、これ以上読む必要は自分にはない、と思って読みませんでした。つまり、「集中力とは何か」という疑問に対して、この時点で自分なりの回答ができたからです。
 その回答は何かというと、「集中している状態」とは「ヒトが良いパフォーマンスを発揮できる状態」のようなものと僕は考えています。集中力とは複数の要因の影響を受けるものであるならば、集中力を1つの概念として考える必要はないのではないかと思いました。それ以前に、そもそも「集中力」というものが存在するのかどうかもわかりません。上に箇条書きした様々な要因が良い方向に働いているときの状態を、我々が「集中している状態」と呼んでいるに過ぎない、と考えても不思議ではありません。なので、集中力というものを幅広く捉えた方が現実的なのではないかという考えに至って、自分なりの回答を考えたのです。
 改めて自分の考えた道筋を書いてみると、考えすぎたら360度回転して元の位置に戻ったような…あるいは禅問答のような感じも受けます…。ですが、このように考えた方が現実的だろうと思います。集中力の研究に関する本が少ないのも納得できますし。また、集中力をどうにかしたいと思うならば、集中力そのものではなくて、それに影響する要因について1つ1つ検討する方が得策でしょう。自分の場合はどうかというと、覚醒の状態なんだろうと思います。試合中に眠い、と感じることがあるくらいですから…。
認知系 | 投稿者 ジミー 18:47 | コメント(0)| トラックバック(0)

アルゴリズムとヒューリスティクス②

 アルゴリズムとヒューリスティクス①の続きです。テニスではどうか?というところからだったと思いますので、そこから続けたいと思います。3か月以上も引っ張った(?)とはいえ、大した話ではありません。当たり前の話と言えば当たり前の話です。そして、自論も多分に含んでいるので、参考程度にしてもらえたらと思います。

 1つのポイントにおいて、コストパフォーマンスが悪いけど確実にポイントを取れる方法というアルゴリズム的な方法はあり得ません。ですので、話がずれるかもしれませんが、この2つの方略の話は、テニスにおいてはヒューリスティクス的な方法を取るか・取らないかの2つに分けられると思います。
 では、テニスにおけるヒューリスティクスとは何かと言うと、状況に応じてより高確率でポイントを取れるようにする方略ではないかと思います。そしてそれはみんながやってる当り前のことだと思います。例えば…良いファーストサーブが入ったらデッドゾーンに一歩踏み込む、いいリターンが帰ってきた場合は仕方ない、それでも相手のリターンがチャンスボールになりやすいんだから一歩踏み込んでいた方が攻撃できて、ポイントを取れる確率は上がる、といったようなものです。他にも、ダブルスでいいリターンが打てたら前に出る、など数えきれないほどあります。
 こういったものは考えれば考えるほどあると思います。「1つのポイントにおいて」という前提で書きましたが、「一球において」でも考えられるのではないかと私は思います。例えば、遠くのボールで走ってやっと追いついて打つような時は、ラケットのヘッドの方に当たりやすくなると考えられます。ですので、その時はラケット面の根元で打つようにすれば、ちょうどスイートスポットでボールを打てる確率が上がるのではないかと思います。
 他にも、スライスのボールはドライブボールやトップスピンと比べると、浮き上がるような軌道になります。なので、スライスのボールをボレーするときはラケットのヘッドに当たりやすくなると考えられるので、この場合もラケット面の根元で打った方がスイートスポットで打てる確率が上がると考えられます。
 まだまだ考えれば、ほとんどバウンドしないようなスライスのボールをトップスピンで返球しようとするときは、通常よりも振り上げるフォームになります。ですので、ボールはラケット面の下の方(右利きのフォアハンドとすると、グリップを6時方向とした場合の3時方向)にあたりやすくなると考えられます。そこで、そのようなときはラケット面の上の方(6時方向)に当てるようにすればちょうどよいと考えられます。

 では、「1つの試合について」を前提とすると、今まで書いたようなことを積み重ねることしかないと思います。テニスは何10のポイントを1つ1つ積み重ねてるものなので、1つのポイントを取る確率が少しでも高くなれば、その分だけゲームを取る確率、そして試合に勝つ確率はずっと高くなります。なので、1つ1つのポイント、一球一球を考えることが大切なのだろうと、私は普段から思っています。
認知系 | 投稿者 ジミー 23:05 | コメント(0)| トラックバック(0)

アルゴリズムとヒューリスティクス①

 題名を「アルゴリズム的方略とヒューリスティック的方略」としたかったのか、文字数がたりませんでした。今回はアルゴリズム的方略(戦略、ストラテジー)とヒューリスティック的方略についてです。とりあえず、「アルゴリズム」と「ヒューリスティック」をウィキペディアで見てみました。

”アルゴリズム(英: Algorithm)とは、数学、コンピューティング、言語学、あるいは関連する分野において、問題を解くための効率的手順を定式化した形で表現したものを意味する。算法(さんぽう)と訳されることもある。”
”ヒューリスティクス(heuristic、Heuristik)とは「必ず正しい答えが導けるわけではないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることが出来る方法」。答えの精度は保障されないが、回答に至るまでの時間が少なくてすむ。”

 ヒューリスティクスは心理学でも使われる言葉でもあり、上の意味で問題ありません。しかし、アルゴリズムは、ヒューリスティクスとの対義語的に扱うには上の意味とは少し異なってしまうかもしれません。ヒューリスティクスとは対義語的なので、上の引用に沿って書き換えると、

ヒューリスティクス
ある程度のレベルで正解に近い解を得ることが出来る方法。答えの精度は保障されないが、回答に至るまでの時間が少なくてすむ。
アルゴリズム
確実に正解を得ることができる方法。答えの精度は保障されるが、回答に至るまでの時間が多い。

という具合で捉えればいいと思います。

 具体例を示して説明したいと思います。
 「A市があります。その市の中に、あなたの親戚が1人住んでいます。その人を探してください。」。このとき、どのような方略をとるでしょうか。
 アルゴリズム的方略では、家を一軒一軒回る、という方略が挙げられます。この方法では、いずれは親戚の人を見つけることが出来るでしょう。しかし、時間・費用はかなりかかってしまい、対費用効果、効率が悪いとも言えます。
 ヒューリスティック的方略としては、電話帳で自分と同じ名字の人を探して電話を掛ける、という方略が挙げられます。この方法で、まず見つけられるだろうと考えられますが、親戚の人の名字が変わっていたり、固定電話を持っていなかったら見つけられません。しかし、時間・費用はずっとかからず、対費用効果、効率が良いとも言えます。

 では、テニスではどちらの方略で考えればよいのか、という問題になります。長くなったので、続きは次に書こうと思います。
認知系 | 投稿者 ジミー 23:36 | コメント(0)| トラックバック(0)

効果的な目標設定

 心理学には目標を立てることについての多くの研究があり、様々な場面でパフォーマンスを向上させるのに役立つ、とされています。今回は、そのなかでもスポーツにおける効果的な目標設定について書きたいと思います。
 難易度の問題、目標の期間の問題、結果目標とパフォーマンス目標について、チーム目標と個人目標について、の5つをこの順番で書いていきます。
 
 まず始めに、どれくらいの難しさの目標がいいのか、という問題があります。結論から言うと、達成できる確率が50%くらいの、中程度の難しさの目標がよいとされています(「期待価値理論」といいます)。その理由は、やさしすぎる目標ではやる気が起きず、難しすぎる目標では達成できる自信がもてないために努力をしなくなってしまうからです。ですので、自分で成功する確率が50%くらいだと思える現実的かつ挑戦的な目標が、最もモチベーション(動機付け)が高まる、とされています。

 次に、どれくらい具体的な目標にするのかについてです。全力を尽くす、といった抽象的な目標では、達成できたかどうかを判断する基準が曖昧になってしまいます。
 一方、ファーストサーブを70%の確率で入れる、というような具体的な目標は、達成できたかどうかを明確に判断することが出来るので、目標を達成できたかについてのフィードバックを得ることが出来ます。それにより、自分の進歩を把握することが出来るので、達成への自信を高めることが出来るとされています。

 次は、どれくらいの期間の目標を立てるかです。これについては、短期目標と長期目標の両方を立てることがパフォーマンス向上に貢献する、とされています。短期目標だけではすぐに達成してしまうため、すぐに目標がなくなってしまいます。長期目標だけでは、それを達成するまでに長い時間を要してしまうので、動機付けを維持しづらくなってしまいます。
 短期目標と長期目標の両方がある場合は、短期目標があるので早期に達成感や満足感を得ることが出来るので、長期目標を達成するまでの動機付けを維持することが出来ますし、自分の進歩状況を把握することが出来ます。ですので、複数の短期目標を長期目標の達成に結びつくように、段階的に設定することが最も効果的だといえます。
 このように目標を立てるには、長期目標から逆算して短期目標を立てる、という方法がいいかと思います。例えば、「トーナメントで優勝する」という長期目標を立てたとしたら、ベスト4になる、ベスト8になる、というように長期目標から現在の自分の状況までの各段階を設けて、それぞれの段階に進むにはどのようなことが出来るようになるのかを考え、それを目標にする、という具合です。

 続いて、結果についての目標と自分のパフォーマンスについての目標についてです。パフォーマンスについてというのは、例えば「ファーストサーブの確率を7割にしよう」とか、「ボールをしっかり見て打とう」というものです。「4回戦まで進む」というような、結果についての目標を重視しすぎると、負けること=失敗とみなしてしまうため、自分に対して余計なプレッシャーを与えかねません。また、対戦相手の強さや調子、自分の調子など、勝敗は自分ではどうすることもできない要因によって左右されることも多いため、明確な目標ともいえません。
 パフォーマンスの目標は、成功するかどうかは自分の責任なので、目標達成について客観的に判断できますし、自分の進歩状況も客観的に把握することが出来ます。また、プレーそのものを目標にしているので、ゲームで自分のプレーに集中することが出来ることから、緊張・不安を低下させる効果も期待できます。

 ようやく最後になりました。これまで個人の目標について話を進めてきましたが、チームの目標についてです。テニスは団体競技というよりも個人競技と考えられますが、ダブルスなどはこのチーム目標を当てはめることが出来ると思います。
 メンバー全体で立てたチームの目標は、チームワークの向上や、メンバーの試合に対する動機付けを高めることに役立ちます。ですので、個人の目標とチーム全体の目標を立てるのが一番効果的といえます。



 今週の日曜日にシングルスの大会があるので、目標を立ててみようと思っているのですが、簡単にはいい目標が思いつきません(;´∀`)普段から自分の課題を見つける姿勢が大切なんだと思います。課題を見つけたらその都度ブログに書く、というのはいい方法かもしれませんね。
認知系 | 投稿者 ジミー 21:02 | コメント(0)| トラックバック(0)

内田式クレペリン検査

 テニスについて書くネタがないのでクレペリン検査についてあれこれ…。攻略法まで書いたら長くなったので、興味のある方だけご覧になってください


 内田クレペリン検査は就職試験等で広く使われていますので、知っている人も多いと思います。検査用紙に数字が17行116列×2も羅列されていて、隣り合った数字を足し算してその数字の間に答えを書く(10以上の時は1の位を書く)というものです。被験者はひたすら足し算をしていき、1分経ったら次の行に移る…ということを前半15分、休憩5分、後半15分に渡って行います。非常に疲れますよ…。

 この検査の目的は足し算という作業を行わせることで、性格や職業適性を測定するというものです。最初に自分の言いたいことを言うと、この検査は何の役にも立ちません。特に問題なく作業(仕事)ができる人がやっても「異常」と判定されるという研究結果が多数あります。その他にも色々な面から批判がされていますが、私としてはたかが足し算をするだけで性格や職業適性を測定できるとは思えません…。また、この検査は半世紀前から使われているので世間一般に攻略法が知られています(間違った攻略法も出回っていますが…)。その意味でもこの検査は役に立たないと言えるでしょう。

 多くの批判があるにも関わらず、この検査が多く使われている原因を考えると、検査を実施する人事側が「他の人がたくさん使っているんだからこれを使おう」ということで使っているのだと思います。もう1つの原因として「お金」になるからと考えられます。この検査用紙は1枚80円程します(著作権の関係でコピーはできません)。試験時の指示を録音したCDは2000円程です。この検査を判定する人向けの判定法の講習はうん万円もするそうです。その上、攻略本も数多く出版されています。ぼろい商売ですね…。こんな検査が公務員の採用試験でも多く使われています。税金を使ってこんな検査をするなんてまさに無駄ではないでしょうか?


 最後に…こんな検査で引っかかってしまうのは非常にもったいないので、判定基準と攻略法を書いておきます。この検査を受ける人のお役に立てればと思います。

 一番重要なのは作業曲線です。簡単に言うと計算量の時間ごとの変化です。「.」が計算をして記入した数字として、本来は15分ですが行がかさんでしまうので、都合上7分間やったとします。
...............................................
.......................................
..................................
..............................
.........................
............................
................................
 こんな感じになるのが理想です。これは理想なので、計算量に多少の増減があっても大丈夫です。「.」の数は適当ですので、作業曲線だけについて参考にしてください。

チェックポイント1
一番最初の計算量が一番多い
チェックポイント2
次第に計算量が落ちていく
チェックポイント3
最後の辺りで計算量が増える
チェックポイント4
計算量に極端な増減が無い

 この4つがとりあえず重要になります。あと、前半の最後の行と5分の休憩を挟んだ後半の最初の行が比較され、前半の最後より後半の最初の計算量が多いと「正常」とされます。これも重要なので気をつけましょう。
 計算量の多少も判定要素の1つですが、それほど計算量は多い必要はありません。正確な計算量の判定基準は忘れてしまいましたが、こんなものなのか、と感じるほどだったので、ほとんどの人には問題ないと思います。ですので一生懸命計算せず、多少手を抜いたほうがいいです。一生懸命計算すると途中で疲れて計算量が落ち込んでしまい、チェックポイント4に引っかかる恐れがあります。
 また、誤答はよろしくないので正確に計算・記入しましょう。
 色々と述べましたが、整然と作業曲線が↑で書いたようにならないといけないわけでなく、多少ギザギザになるのが普通ですので、そこまで神経質になる必要はありません。
 また、↓のように計算量を変化させないようにする攻略法が出回っていますが、これは間違いなので真似しないようにしましょう。
...............................................
...............................................
...............................................
...............................................
...............................................


 長々と説明しましたが、このようなことを意識しなくても多くの人はほぼ理想的な作業曲線になります。ですが、このようにならなかった人はおかしい、ということではないので気にする必要は全くありません。このような間違った心理検査(テスト)がなくなる日はいつ来るんだろうか…と思います。
認知系 | 投稿者 ジミー 14:00 | コメント(0)| トラックバック(0)

単純で気づかないこと

次の5つの数列に共通した法則はなんでしょうか?
1 3 5
2 4 6
1 5 9
1 2 3
1 3 4
よくわからん…という人も多いと思います。
答えは、順に増加している、です。

「1 3 5」「2 4 6」
…2づつ増加しているな
「1 5 9」
…4づつ増加しているから、偶数づつ増えるのかな?
「1 2 3」
…等間隔ずつ増えるのかな?
「1 3 4」
…わけわからん
 私が最初にこの問題を見たとき、こう考えました(;´∀`)このように、単純なことほど気づき難いことが多々あります。テニスにもあると思います。

 初・中級者でバックハンドが苦手という方は多いです。原因はいろいろあると思いますが、私は単純なものだと思います。フォアよりもバックで打つ回数がずっと少ないからではないでしょうか?バック側に来たボールでも回り込んでフォアに打ってしまうので、バックで打つ回数が圧倒的に少なくなってしまいます。打つ回数が少ないのですから、バックが上達しないのは当然だと思います。
 なかなか難しいことですが、単純なことに目を向けると思わぬ発見がたくさんあるかもしれませんね。
認知系 | 投稿者 ジミー 21:09 | コメント(2)| トラックバック(0)

ヒトの確率認知(ランダムの認知)

 数字や確率は物事を客観的に捉えるための道具になりますが、ヒトがそれを客観的に捉えることができないことがあります。

表に○、裏に×と書かれたコインがあるとします。
10回投げて次の2つの結果が出ました。
A ○×○○×○×○××
B ×××○○○×○×○

 どちらがより確率的に自然だと思いますか?Aだと思う人が多いと思いますが、答えはBです。どちらも○と×が5回ずつ出ているのになぜ?と思うでしょう。

 2回続けて同じ面(○→○、×→×)になる確率は1/2です。逆に、同じ面が出ない(○→×、×→○)確率も1/2です。ですので、10回投げたら2回続けて同じ面が出る回数は4回、または5回になるのが確率的に自然です。結果Aは、続けて同じ面が出た回数は2回、出なかった回数は7回ですが、結果Bは、4回と5回ですのでこちらのほうがより確率的に自然といえます。

 このことからわかるように、ヒトは同じ出来事が続いたら次は違うことが起きる、と考える傾向にあります。賭け事で負け続けている時に、次は勝つだろう、と思ったことはないでしょうか。勝つ確率も負ける確率も1/2なら、たとえ10回連続負けていたとしても次に勝つ確率は1/2なので、このように思うことは確率的に正しくありません。(これはギャンブラーの誤謬と呼ばれています)

 テニスの場面ではどうでしょうか?2回続けてフォア側にサーブを打ったから次はバック側に打とう、と思っているとき、相手も次はバックに来るかな?と思っていることが多くなります。こんなことにならないようにするには、コースを頭で考えないことです。例えば、時計を見たとき、秒針が偶数ならフォア、奇数ならバックと決める方法など、いろいろと考えられると思います。
認知系 | 投稿者 ジミー 19:33 | コメント(0)| トラックバック(0)
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