2009年08月15日
ボールを目で追うこと・見ること①
長らく、このブログのメインテーマである心理学関係から離れていました。それというのも、今回から何回か掛けて書こうとしている記事のためです。いろいろ調べたり、考えなおしたり、図をこしらえたりと時間がかかりました(現在進行形でまだ時間がかかっていますが)。それだけ重要なことを書こうと思っているのですが、最終的にははっきりとした結論は出ず、仮説のようなものを提示して終わってしまうと思われます。それでも何かしらの意義はあるだろうと思うので書きたいと思います。
まずは、タイトルのようにボールを目で追うことができっるかどうかについてです。よく「ボールから目を離すな」などと言われますが、それが可能なのかどうかを眼球運動の観点から検証してみたいと思って調べてみました。
眼球の動きは数種類ありますが、今回関係するのはそのうちの2つです。
1つは随従運動というものです(追跡眼球運動、追従眼球運動などとも呼ばれます)。文章を読むときなどはこの眼球運動になります。見る対象を視野の中に入れて、しっかりと網膜に焼き付けるようなものです。例えば、
1 2 3 4 5 6 7 8 9
という文字列を左から右へ順に見ていく場合に、1~9までの数字を順に1つずつ認識できるように見るための眼球運動が、随従運動になります。要するに、見る対象を目で追う、追従するための運動です。
もう1つは、サッケードです。これは見る対象の方向に目を向けるための眼球運動です。これも例で示しますと、
1 2 3 4 5 6 7 8 9
という文字列があり、2~8をすっ飛ばして1から9へ目を向けるというものになります。日常生活でいえば、急に物音がしたときにその方向に目を向けるときなどもこの眼球運動になります。
次に、この2つの眼球運動の速さについてです。どちらが速いかと言えば、断然サッケードの方が速いです。随従運動とサッケードの境については、有斐閣の心理学辞典によれば、一般の人は眼球の動きの速さが30°/sを超えるあたりからサッケードが混じり始めます(眼球は球体なので、目が動く距離に関しては「°」が使われます。「30°/s」というのは1秒当たりに30°動くという意味です)。これにより、随従運動の眼球運動の速さを30°/sまでと仮定すると、いわゆる「ボールを目で追う」ことができるのは、その速さの眼球運動によって動くボールを追従して見ることができる、ということになるでしょう。
今回はここまで。次回は、テニスにおいて何k/hのボールまで随従運動で捉えることができるのか、つまり「目で追う」ことができるのかについてです。
ボールを目で追うこと・見ること②へ続く
まずは、タイトルのようにボールを目で追うことができっるかどうかについてです。よく「ボールから目を離すな」などと言われますが、それが可能なのかどうかを眼球運動の観点から検証してみたいと思って調べてみました。
眼球の動きは数種類ありますが、今回関係するのはそのうちの2つです。
1つは随従運動というものです(追跡眼球運動、追従眼球運動などとも呼ばれます)。文章を読むときなどはこの眼球運動になります。見る対象を視野の中に入れて、しっかりと網膜に焼き付けるようなものです。例えば、
1 2 3 4 5 6 7 8 9
という文字列を左から右へ順に見ていく場合に、1~9までの数字を順に1つずつ認識できるように見るための眼球運動が、随従運動になります。要するに、見る対象を目で追う、追従するための運動です。
もう1つは、サッケードです。これは見る対象の方向に目を向けるための眼球運動です。これも例で示しますと、
1 2 3 4 5 6 7 8 9
という文字列があり、2~8をすっ飛ばして1から9へ目を向けるというものになります。日常生活でいえば、急に物音がしたときにその方向に目を向けるときなどもこの眼球運動になります。
次に、この2つの眼球運動の速さについてです。どちらが速いかと言えば、断然サッケードの方が速いです。随従運動とサッケードの境については、有斐閣の心理学辞典によれば、一般の人は眼球の動きの速さが30°/sを超えるあたりからサッケードが混じり始めます(眼球は球体なので、目が動く距離に関しては「°」が使われます。「30°/s」というのは1秒当たりに30°動くという意味です)。これにより、随従運動の眼球運動の速さを30°/sまでと仮定すると、いわゆる「ボールを目で追う」ことができるのは、その速さの眼球運動によって動くボールを追従して見ることができる、ということになるでしょう。
今回はここまで。次回は、テニスにおいて何k/hのボールまで随従運動で捉えることができるのか、つまり「目で追う」ことができるのかについてです。
ボールを目で追うこと・見ること②へ続く
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