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テニスと心理学の架け橋 心理学のテニスへの応用を考える…よりもストリングのことを考えているかも

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スポーツと性格②~状況主義

 前回の特性論に続いて、今回は状況主義です。状況主義とは、我々が取る行動や反応は性格によって決定されるのではなく、我々が置かれている状況によって決定されるというものです。

 前回、パフォーマンスの良し悪しに占める性格という要因は29%という研究があると書きましたが、この状況主義という立場でも同様の研究があります。特性論ではパフォーマンスに占める要因は性格とその他でしたが、状況主義では性格と状況の2つの要因があるので、要因は性格、状況、性格と状況の相互作用、その他の4つになります。その研究では、性格、状況、その相互作用の合計がパフォーマンスの良し悪しに占める割合は半分にも満たないという結果になっています。正確に状況という要因を足しても、やはりその他の要因が大きいという結果は、特性論とも変わらないようです。

 状況主義は、その状況に置かれた個人のふるまいを重要視することから、普段の性格は考慮する必要はなくスポーツ時の気分を測定すればよいのではないか、という考えがあります。その気分を測定するPOMS(Profile of Mood States:気分プロフィール検査)というものがあるようです。これは個人の緊張、抑鬱、怒り、活気、疲労、混乱の6つの尺度を測定するものです。もともとは精神病患者の状態を測定するためのものがスポーツ心理学に広まったそうです。おそらく、ヒトの気分はこの6つの因子によって構成されていると考えられたものだと思います。この検査の結果を一流選手とそうでない選手とで比較した研究があります。その結果は、一流選手は緊張、抑鬱、疲労、混乱の得点が低く、怒りがやや高く、活気がかなり高い、というものになりました。このような結果になることは、その他の多くの研究からも支持されているようです。
 しかし、一流選手でもこのような測定結果にならない人もいます。それは、この研究は一流選手とそうでない選手のPOMSの得点の平均を比較していることから、個人差が覆い隠されているためだという指摘があります。
 また、個人的な意見ですが、好ましいスポーツ時の気分が明らかになったとしても、その気分になるようにすることはできるのでしょうか。これも、特性論と同様で難しいものだと思います。

 これを書いていて、1つ思い出しました。去年のウィンブルドンで、フェデラーがチャンピオンシップポイントを決めた瞬間に泣き崩れる場面がありました。あれを見て、フェデラーは精神的に不安定だと思う人もいると思います。しかし、状況主義的な立場から考えたら、泣き崩れたのはテニスが終わった時なのだから、少なくともテニスをしている時は精神的に不安定だと言うことはできないんじゃないか、と思いました。

 次は、社会的学習理論について書きたいと思います。
性格系 | 投稿者 ジミー 23:17 | コメント(0)| トラックバック(0)
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