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テニスと心理学の架け橋 心理学のテニスへの応用を考える…よりもストリングのことを考えているかも

ジミー
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熟達者の視覚探索方略2

 前回は周辺視について書きました。周辺視は物の動きや位置を知るための視覚で、「行動のための視覚」という働きをしています。相手の動きやボールの方向を早く見極める&予測するには、この周辺視を有効に使うことが必要になります。今回は剣道、野球のバッター、サッカーのディフェンダーの熟達者が、実際にどこを見ているのかについて書きたいと思います。

 最初は剣道です。剣道の視覚探索の研究で、師範、大学生の熟達者、非熟達者が、模擬試合でどこを見ているのかを調べたものがあります。その結果は、熟達者ほど相手の面(目)を見ている割合が多いというものでした。非熟達者は胴、小手、竹刀など様々なところに視線を移していました。大学生の熟達者は、時折胴や竹刀に目を移すものの、試合時間の約8割は面に視線を向けていました。師範の場合は、95%ほど面に視線を向けていました。
 剣道には「遠山の目付け」と呼ばれる視覚探索方略があるようで、「相手の竹刀などを局所的に見つめたりせず、遠くにある山を見るように、相手の目を中心に体全体をおおらかに見る」というものらしいです。
 では、この「遠山の目付け」がなぜ有効なのかを周辺視の観点から説明します。まず、相手の目付近に視線を置いているのは、相手の目から情報を得るのではなくて、視線の仮の位置を定めています。この仮の視線の位置を「視支点」といいます。視支点は、広範囲の対象を見るときに、その対象の中心付近にとどめる仮想的な視線の支点です。視支点が置かれている位置には相手の動きに関する重要な情報はありませんが、その視支点の周辺部に重要な情報があります。周辺視はその名の通り、目の中心ではなく周辺で得られる視覚ですので、「遠山の目付け」は視支点の周辺部に存在する重要な情報を、周辺視を活用して効率的に得る方法といえます。

 次に、野球のバッターについての研究です。結果は、非熟達者は相手の頭を中心に幅広い部分(頭から膝付近まで)に視線を動かしていましたが、熟達者は主に肩、胸部に視線を置き、ボールがリリースされるときには肘付近に視線を動かしていました。このケースでは、熟達者は視支点を相手投手の肘付近に置くことによって周辺視で相手の全体像を捉え、投球動作から動きに関する情報を効率的に得ていると考えられます。

 最後にサッカーです。この研究では、ディフェンダーがボールを持っている相手と1対1で対峙しているときにどこを見ているかを調べたものです。結果は、非熟達者は主にボール付近に視線を置き、熟達者はボールだけでなく相手の膝や足先に視線を移動させていました。熟達者はボールから目を離して相手の膝付近に視支点を置くことで相手全体の動きを周辺視で捉え、相手の動きを予測しているものと考えられます。

 剣道、野球、サッカーの研究について書きましたが、テニスではどうなんでしょうか?テニスの視覚探索の研究が見当たらないので、上に書いた3つの研究から消去法で考えてみます。
 まず、サッカーの非熟達者のように、ボールに視線を置くのはよくないでしょう。これでは相手の動きの情報を得ることが出来ず、予測できません。また、剣道や野球の非熟達者のように、広範囲に視線を動かすことや局所を見つめるのもよくないと考えられます。周辺視で効率的に動きに関する情報を得るには、視支点を定める必要があるからです。では、視線(視支点)をどこに置けばいいのかという話になります。テニスで相手の動き(打つ方向)を予測するには、相手のラケットの動きや足の向きが重要になるのではないかと思います。こう考えると、その2つの中心となるところ、体の中心付近に視支点を置けばいいのかな…と思います…。

 私にはこれが限界です…誰かテニスで研究してくれる人は現れないでしょうか…(;´∀`)
実験・知覚系 | 投稿者 ジミー 22:14 | コメント(0) | トラックバック(0)
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